2014/02/14 Categories:

“オマエ、もうちょっと楽な人生だってあるんじゃないの?”と、つい自分に毒づきたくなるのは、現地の人なら“寒いですね?”とでも言いそうな夜、バングラデシュで水シャワーを浴びているときだ。

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<ラジョーさんは、満面の笑みでコックスバザールの空港に迎えに来てくれていた>

  この2日前、僕たちNPOユニの一行は、非常事態宣言中のバンコクからタイ航空でダッカまで飛んで来ていた。(一行はまゆさんの他に、まさとさんと、2回目のバングラデシュ訪問のまひろさん)

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 <デモ隊によって占拠されているタイの首都バンコクの道路>

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<デモ隊のテント村だが、反タクシン派に雇われているというウワサ>

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 <デモの最中で、爆破事件があったりしても、市民の記念撮影にのんびりと応じる兵隊。この辺は、いかにもタイだな〜>

旅の裏技

 さて、ダッカへ着いた時は、コックスバザール行きの国内線に間に合う、ギリギリの時間だった。でも僕には、“まあいつものように、出発時間のスケジュールなんて、あってもないようなものだろう、遅れるに違いない”と、そんな楽観した気持ちもあった。

 しかし空港では、現地での援助活動のための円を、現地通貨のタカに両替する必要があった。その上、行ってみると入管審査は大勢の人でごった返していた。長蛇の列が並んでいて、1時間は猶にかかりそうな状態だった。

 国内線は日に1便しかない。ここで逃したら、車かバスで約12時間かけて行くことになる、、、。

 もっとも2、3年前までは、ダッカの空港から、命がけのチキンレースを走る車で、12時間かけて現地コックスバザールまで行っていたのだ。

 というのは、一昨年あたりまでは、バングラデシュ航空の国内線に乗るには、あまりにも信頼度(飛ぶかどうか)が低かったからだ。

 このままでは、もしかしたら乗り遅れることもあり得るかも、、、。そう思った。そこで僕たちは、空港をウロウロしている職員に“袖の下”を渡し、“税関を超特急ですり抜けさせてくれ”と囁いた。ようするに旅の裏技を使ったのである。  

 いつもならば、国境などでワイロを要求する、第三世界の役人や警官の腐敗ぶりに文句をつけている僕である。それでいて、こんな時には、職員にちゃっかりワイロを渡し、「旅の裏技」と称して悦に入っている。これは、バックパッカーの悪いクセではあるな。

九州での集まり

  今回、日本を発ったのは、福岡空港からだった。

  バングラデシュ行きの荷物を抱えたまま博多に行った。そして、北九州で土日の2日間に亘ってワークショップ的な集まりと念仏会を行った。その後、月曜日の朝には、福岡空港からのフライトでバンコク向かい、数日を過ごしたあとに、バングラディシュに飛んだのだ。

 九州での2日間だって、それはもちろん濃かった。ただ、ブログに書く余裕がなかった。

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<佐賀でのタオサンガ念仏。初参加のゆかさんも!>

 でも僕にとっては、とても意義のある発見があったので、それについてだけでも、記しておきたい。

 ご存知の方もいらっしゃるとは思うが、僕はタオ指圧の体験ワークショップで、治療デモンストレーションを行う。

 これは、“誰か痛みなどの症状がある人はいませんか?”と会場に呼びかけ、5?10分程度の施術によってその場で症状を取り去るというものである。経絡による指圧の治療効果を知ってもらうためだ。

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<宮崎から参加のスー>

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<頭頂のツボに触れているだけで立ち上がれないというワーク>

 もっとも、今回の博多での集まりの目的は、タオサンガの気と心の世界を体験してもらうことにあった。だから指圧デモンストレーションをするという考えはなかった。

 それに、タオ指圧も含めタオサンガは、すべて「気の念仏」が土台となっている。となると、念仏の効果をこそ体験してもらわなくてはならないなぁ、、、。   

 とまあ、こんなことをぼんやりと考えながら、僕は、博多のタオサンガ体験会をリードしていた。すると突然、脳裏に新しいアイデアがひらめいた。それは、「念仏による治療デモンストレーション」である。

 タオ指圧の経絡施術ではない。“念仏で治療デモンストレーションをしたらどんなもんだろうか?”ふと、そう思ったのだ。

 でも、念仏によって症状を取るなんて、果たしてできるのだろうか・・・? 

 内容としては、タオ指圧講習での治療デモンストレーションのときのように、何らかの症状を抱えている参加者に出て来てもらう。

 そして仰向けになってもらった、その人の周囲を囲むようにして参加者が座る。その後、参加者みんなでタオサンガ流の念仏をすることで症状を取る、というものである。

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<念仏治療のワーク>

 今までやったことはない。だから、本当にそれで症状が取れるのかは、正直言ってわからなかった。

 もしかしたら、何の効果もなく場がシラケるだけという結果になるかも知れない。“なーんだ”と言われるのがオチかも知れない。それは大いにあり得ることだ。

 本来ならば、一応、何度か試した上で、大丈夫だとわかってからやれば良いようなものである。

 しかし、ここで躊躇するほど、僕は大人になり切れない。そんなのは、自分が守りに入るようで、何だか格好ワルいような気がしてしまうのだ。

 ようするに、“ここで怯むなんて男じゃなねーよな”とか、“いいじゃん、面白そうだからやってみようよ!”とか思ってしまう。

 まあ体裁よりも好奇心。まるでガキ丸だしの感覚が、いつだって全開なのである。

 また、たとえ失敗したって、“えへへ、あっ、ダメだったか?”と、その場でみんなに言えばいいや、と思ってしまう。

 ただし、うまくいかなかった場合は、念仏の評判を落としたことになる。その点については、あとで阿弥陀さまによく謝っておこう、と密かに思う。(実に冷や汗ものである)

 それでも、“失うものなんてないぜ”と思って生きているためか、かなり気楽なところがある。

症状の原因は潜在意識(アラヤ識)

 もっとも僕が、“その場で、念仏によって身体的な症状を取れるのではないだろうか?”と思ったのには、一応の理由がある。

 それは、どのような症状であろうと、原因が、経絡の奥に存在する潜在意識の邪気だからだ。

 これはタオ指圧の講義で、常に僕が語っている最新の理論だ。また邪気は、術者が、「宇宙大霊である佛さま」の融合を受け、これの他力(威神力)が働くことで浄化される。その結果、潜在意識が転換し症状が取れる。

 ということは、みんなで囲んで阿弥陀仏をイメージし、タオ心を集中して祈り念仏すれば、たとえ指圧手技を行わなくても、症状は取れる「はず」である。

 また、僕にそれを思わせた理由は、まだ他にもある。タオサンガのワークショップでは、常識で考えたら、あり得ないようなことをやっている。それらは、はじめて体験した人は、みな一様にビックリするようなことだ。

 例えば、「一切手を触れずに、ただ念仏して気を送るだけで、横になっている人が、部屋の端から端まで転がっていく」というワークがある。

 ただ転がっていくだけではない。受けた人が、生まれ変わったような、身も心も癒されたような爽快な気分になる。これを、参加者全員が体験するのである。

 これはたしか、ウィーンの念仏ワークショップで、初めてやったものだった。この時も、ふとした思いつきでやったのだ。

 よくよく考えてみたら、こういうことって案外凄いことなのかも知れない。もっとも僕としては、こんなことをタオサンガのウリにするつもりは毛頭ないけれど。

「宇宙大霊の如来は実在するということ。そしてあらゆる幸福の源泉である大霊の融合を受けることにより、誰の人生も好転していくのだということ。」こちらの方が、よほど凄いことだと思うからだ。

だって、タオサンガの目的は、気の不思議なパワーを見せつけることにあるのではなく、人が幸福な人生を創造する「幸福力」をつけることにあるんだもの。 

自分が無意識にやっていたことだった!?

 さて、ごたくを並べるのはこのぐらいにして、念仏治療デモンストレーションを思い切ってやってみた結果、一体どうだったのかを述べることにしよう。

 まあ結論を言えば、タオ指圧の治療デモンストレーションと同じような感じになったのだ。いやはや、もうビックリ! である。

 僕はその時、気づいた。タオ指圧の治療デモンストレーションで、効果を上げていたのは、僕が無意識に佛さまを想って、潜在的に念仏していたからなんだ、と。

 経絡効果は、手技の力によるというよりも、阿弥陀さま(宇宙大霊)の他力によるものだったんだ、と。

 クラスや講習では、“自分の力ではないですよ。あくまでも宇宙大霊の力によるものですよ”と言っておきながら、案外自分自身は、心底わかっていなかったのかも知れないな、と反省した僕であった。

 だって、“果たしてうまくいくかな?”なんて思って、ギャンブルでもしているようなつもりだったんだもの。阿弥陀さま、疑ってすみませーん!

☆leaflet

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<今回の九州の集まりは、3/1と3/2のイベントの前哨戦のためでもあった>   九州在住の方は、下記アドレスをぜひ。

https://www.facebook.com/events/247735855407117/?ref_newsfeed_story_type=regular

 さて、次のブログからは、バングラデシュでの驚くべき展開について述べようかな、っと。