2011/06/05 Categories: 日記

イベントの三日間は、まさに疾風怒濤だった。
タオ指圧の専用ルームは、いつも受療者で混み合っていた。
受療者全員が、タオ指圧によって必ず症状が取れるという体験をしてもらう方針で臨んだ結果は、思った以上だった。
“ミラクル!”(奇跡だ!)とかの様々な賛嘆が患者さん達の口から漏れたそうだ。

部屋全体に喜びと驚きの“気”が 満ちていた。 
施術費は定めなかった代わりに寄付箱を置き、「全額東北被災者の支援のために使います」とだけしたためた。そんなタオ指圧イタリアの心意気が来訪者にも伝わったのだろう。部屋には明るく温かい気が漂っており、それが僕を幸せな気分にした。

一方、治療デモンストレーションやワークショップも思った以上にうまく行き、僕はホッと胸をなで降ろすことができた。 
しかし今回のイベントで、僕が本当に驚いたことは別のことだった。
それは、集まったメンバーの全員が、何一つ自分の利益を求めて参加していなかったことだ。
彼らは三日間というもの、朝9時から夜の9時まで、まるで休むことなく献身的に、それこそ汗水垂らしてワークに従事した。
ここまで無私無欲の行為を、忍耐強く一日中続ける彼らの謙虚な姿を見て、“やっとタオ指圧に、このような生き方をする人たちが集まって来るようになったのだ”と、僕は深い感動ともに思ったのだった。

タオ指圧の、これまでの長い長い道のりを思うと、僕はそう考えずにはおれなかったのだ。   さて、三日間のワークを終えたタオ指圧ルームで、輪になって一人づつ感想を述べ合った。
その時、ダビテという人が語った。
“このイベントには数多くのブースが出店していましたが、ほとんどがビジネスのためでした。しかしタオ指圧だけは違った。私利私欲がなく、何—つビジネスの匂いがしなかった。私はそれが本当に素晴らしいと思ったし、来訪者の皆さんも、それを感じたのではないでしょうか”
またローマから応援に来た野宮さんは、“今まで自分は、痛みの2、3割も取れたら良しとしてしまっていました。
けれども、そうではなかった。タオ指圧では、一回の施術で、ちゃんと症状が取れるということが体験できて良かった”と述べた。
アルフレッドは、“イベントでのタオ指圧ルームに、間違いなく、阿弥陀如来が臨在されているのを感じた”と語った。
さすがは、ウィーン阿弥陀センター代表の発言である。
そして僕の番になった。
「今、野宮さんが語られたように、タオ指圧で症状が取れることは当たり前のことなんです。何と言っても、患者さんの潜在意識に働きかけるのがタオ指圧なんですから。
でもタオ指圧臨床の真の目的は、症状が取れるという、そんな“タオ指圧にとって当たり前のこと”にあるのではありません。実は、真のタオ指圧の目的は、受け手の運命を良きものに変えることなのです。 そして、そんなことすら可能となる治療家になるカギはどこにあるのか? それは今、アルフレッドが述べたことと関係する、念仏修行なんです。」
こんなこと、知らない人もきっと多いことだろう。
これらのことは、今後もっと明らかにして行かなければならないな、と思った。