11月12日
テルアビブではワークショップがあるにも関わらず、アースキャラバンの準備を怠るわけにはいかなかった。
前日も、イスラエル人平和活動家のアダムケリー(グッシュ・シャロームという平和団体)とミーティング。
実を言うと、こうした活動家とのミーティングというのはそんなに楽な仕事ではない。
まずは礼儀として彼らの活動についての話を聞き、その後アースキャラバンとの接点を探す。だが、その彼らの話がいつも果てしなく長く続くのである。
へたをすれば話を聞くだけで終わりそうになるぐらい。
そこで、お互いに協力し合えるポイントを探すように、話を持って行くのに必死になる。つまりは、超人的な集中力と忍耐を必要とするのである。
そうしたミーティングを終え、その後は、タマールの旦那さんとも合流して夕食に行く。(ごちそうしてくれた彼の心遣いがありがたかった)
(左から、ノアム、タマル、マガリ、ニッキーさん)
思えば、パレスチナの現実をまだ何も知らない頃、毎年来ていたイスラエルのワークショップには50人から80人もの参加者がいた。
僕といえば、地中海ビーチの前の4つ星ホテルに泊まり、美味しいものを食べ、リゾートまで楽しんでいた。
でも真実を知ってしまった今、もう前と同じようにはできない。
なるべく安い宿に泊まり、主に時間は活動家たちとのミーティングに費やし、この占領をどうやって終わらせるかについて話し合う。テルアビブのビーチでリゾートなど遠い夢の話である。
そしてもちろん、今の方が、生きているという確かな実感がある。
11月13日
<もう2度とイスラエルでワークショップすることはない、と思っていたが>
朝9時から5時まで続いた1日目のワークショップが終わり、マガリたちと夕食を取り終わった頃、突然ニッキーさんから電話が入る。
なんでも、イスラエルのサイエントロジーの知り合いにアースキャラバンの話をしたら、ぜひ会いたいと言っているとのこと。
アースキャラバンの未来につながるわずかな可能性でもあれば行動するという主義なので、早速マガリと一緒に彼らのいるところに向かう、、、。
11月14日
ワークショップ2日目が終わる。
実を言うと、中東でのワークショップなんて、悪夢のように大変になることを覚悟していた。
それは、かつて9年間に亘り、毎年イスラエルでワークショップやって来た経験からだ。(今年アースキャラバンでやった、イスラエル人パレスチナ人合同のワークショップもちょっと大変だったしなぁ、、、)
ところが、だ。
最初からタイトルを堂々と「氣の悟り ー願いを実現するタオ指圧&念仏ワークショップ」にしたせいだろうか? これがまた、信じられないほどスムーズに行ったのである!
もっとも、参加者のほとんどが身体に痛みを抱えており、次から次へとデモンストレーションで症状を取っていかなければならなかったのではあるけれど、、、。
それでも、そのかいはあった。
中東のタオサンガが復活することになった、という確かな手応えがあった。
ワークショップ参加者の氣の悟り体験は、深いものになり、これから続けて修行して行く人たちが生まれたのだ。(このワークショップの結果は、東京の時よりもよほど良かったのではないか!? )
願わくばこのイスラエル人たちが、占領され苦しんでいるパレスチナ人のために立ち上がって欲しい。そう心から願うばかりだ。
15日
日本を出て以来、2時や3時に起きてしまう。(このところ肩の痛みがあるせいかどうかはわからないが)今日は4時半だったので少し良くなってきたかな。
もっとも、10時ごろには寝てしまっているので、案外、健康的ということかも知れない。
テルアビブのゲストハウスを出て、エルサレムに向かう。
それにしても、毎度のことながらアラブ側に来るとホッとして気持ちがくつろぐのが不思議、、、。
エルサレムではニッキーさん、麗奈さんと合流。11時には、ニッキーさんがセットしてくれた南アフリカ出身でパレスチナ在住のイギリス人活動家と会った。(やはりちょっと話が長かったけど、、、)
夕方は、サビールというキリスト教系の人権団体のオマールの家に招かれミーティング。オマールは、今年のアースキャラバンでも世話になった。
オマール夫妻は、凄いきれいなマンションに住んでおり、パレスチナの美味しいビールと手間ひまかけたアラブ料理で、われわれをもてなしてくれた。
オマールは、来年のアースキャラバンのプログラムについて、彼なりにいろいろと考えてくれていた。
例えば、「エルサレム旧市街の城壁を、人間の鎖で取り囲もう。広島原爆の残り火を灯したキャンドルナイトで!」という案。
また「海外参加者、イスラエル人、パレスチナ人で一緒に、深夜に村々を巡礼して歩こう!」などの僕がまさに願っていたようなことを言い出してくれて驚いた。
そしてオマールは、パレスチナ側の実行委員長になってくれることになった。シュクラン(ありがとう)! オマール。