バングラデッシュの首都ダッカの空港に着くと、いつも焦る。その後は、拍子抜けするんだけど。
焦るのは、ダッカから現地に飛ぶ国内線までの乗り継ぎが1時間半ぐらいしかないからである。
これが電車の乗り継ぎだったら、1時間半などあったら時間をもてあましてしまう。
だけど、飛行機で国際線に着くと、まずは長蛇に人が並ぶイミグレーション(入国審査)を通り、なかなか出てこない荷物をまだかまだと待つ。(修行ができていないもんで)そしてやっと荷物を取った後に、国内線のターミナルまで移動することになる。
今回はタイ航空の到着が遅れた。このため、僕の荷物が出てきた時点で、すでに出発時間! しかも、まゆさんの荷物が1つだけまだ出てこない。
そこで僕が何をするか? 荷物を持って一人国内線まで走っていく。別に彼女を置いてきぼりにするわけではない。飛行機を停めておこうと思ってなのである。(これ本気)
ただし、バングラデッシュの飛行機は遅れるのが当たり前。2時間待ったあげく、欠航になったことがあるぐらいである。
それでも万が一、時間通りに飛ぶということがあるかも知れないしなあ、、、と思う。(この辺は、日本と常識が逆)
それで、走って行ってみたけど、案の定、出発時間なのに、まだ飛んでいなかった。それどころか、その後さらに、2時間たっても飛ばない、、、、。
こうして今回も、焦って走ったあげく、その後拍子抜けしたのである。
<バングラデッシュ国内線>
<難民のように待ち続ける、、、>
しかし、人間とは悩みが尽きないものだ。さんざん待って、欠航になったらどうしようか? などと考えるのだから、、、。
まあその時は、以前のように車の手配を頼もう。ドライバーが、12時間全力疾走のチキンレースを続ける車に乗るまでのことである、、、。
ホコリっぽい空港で、水と食料が届くのを待つ難民の如く、うだるように待ち続けた末、ようやく乗客を乗せるというアナウンス(と言っても職員が大声を出すだけ)がなされる。
そして中古のプロペラ機は、僕らを乗せてコックスバザールに向けて飛び立った。
着いたら、ラジョーさんとチョバさんが空港で嬉しそうに待っていてくれた。
チョバさんは、今は山の中でNGOの職員として働いているそうだ。バスを乗り継いで、何時間もかけて会いに来てくれたという。ありがたいことである。
<コックスバザールの空港で、2時間待っていてくれたラジョーさん>
ラジョー家に投宿して一休みした後は、タオサンガセンターで、仏教福祉委員の人たちと打ち合わせ。
現在NPOユニでは、2つの村の小学校を開校して運営しているが、これをどうやって17ある全ラカインの村に拡大していくか?
ふたことみこと話しているうちに、僕の胸に、とっておきのアイデアが天啓のように生まれた!
夕食の後は、ラジョー、チョバ氏らとで、ラカイン焼酎や僕らがバンコクの空港でおみやげに買って来た免税品のウィスキーなぞを、ちびちびと舐める。
<チョバ氏>
<多少寒くても、ほこりにまみれても、友と少しの酒ばあればよし>
意外かも知れないが、この時期のバングラデッシュはうすら寒い。しかしシャワーは水だけ。身体は土ぼこりにまみれているが、とても水浴びする気にはならない。そのまま丸まって寝る。
朝五時半には、街中に響き渡る大音量のコーランに起されることになるけど、、、。続く