ああガザ!

<写真は、日本の東北震災の犠牲者を悼んで凧をあげているガザの人たち>

ガザは牢獄状態で、出入りが自由ではない。そしてエジプトの境界には、「ラファ」と呼ばれる検問所がある。エジプトがこのラファ検問所をラマダンが終わる6月14日まで開けるという。

このニュースを見た僕は、即座にガザ入域を密かに画策した。5月初旬にパレスチナから帰って来たばかりで、7月下旬にまた行くというのに。しかも7月に入ったら怒涛の日々が始まる予定なのに。日々多忙なのに、、、等々、もう一方の自分の声はあった。だが僕は、ええい、うるさい!とばかりに各地への連絡を始めた。

次回のイスラエル入国がややこしくならないか? は気になった。しかし、このチャンスを逃したら、次回いつ入れるかわからない。ガザに浄水機器を設置する場所を確認したかったし、責任者とも会いたかった。販売店なども確認したかった。 

あまり直前だと航空券が高くなっていて行けない。しかし日は迫っている。だから1日も早く状況が知りたかった。僕が知りたかったのは、「果たして、開いたラファ検問所に行けば、外国人でもガザに入れるのか?」この一点であった。

日々のハード・スケジュールの間を抜ってラファ検問所まで行き、「外国人は入れませんでした」では、泣くに泣けない。(そういうマヌケなシチュエーションになる可能性だってないわけではないから、密かに画策していたのだ)

日本のエジプト大使館に聞いたところでわかるわけがない。というのは以前アリスが、オーストリアのエジプト大使館に、ガザ入域について聞き、さんざんたらい回しにされた挙句わからなかったからだ。

東京のパレスチナ代表部に聞いても、まあ同じだろう。ラマラの日本大使館に聞くことも考えた。が、以前もらった名刺は、今手元にない。でもまあ、昨年ガザ入域について日本大使館に連絡を取った時の反応で、どんなことを言われるかは想像がつく。(”渡航中止勧告”というヤツである)

それで、最初に連絡したのは、さとしさん。彼はたしか、エジプトの日本大使館に勤務していたはずだ。彼とは8年ほど前にナブルスの難民キャンプで知り合い、一緒にビリン村のデモに参加した。

しかしさとしさんは、何もわからない、という。ラファ検問所が開いたことも知らなかった。僕が今だにアクティブにやっていることを驚いていた。どうやら、すっかり活動からは離れてしまったようだ。

それから、カナダのローレンス。彼は、エジプトのNGOの人間に知り合いがいたはずだ。聞いたら、その人は、トルコNGOのエジプト・メンバーだと言う。

数年前、ガザに救援物資を船で運ぼうと、トルコから数隻のフェリーで向かい、イスラエル海軍にメンバー十数名が死傷されたマビ・マルマラ号事件があった。

彼はその団体のメンバーだった。ラファ検問所まで車で連れて行ってくれるだろう、とのこと。それならバッチリである。、、、しかしアラブ人のいつものごとくメールに返信がないそうだ。

それでスティーブ・リーパーに連絡した。彼が関係している日本の外務省の所管の支援団体なら、エジプトにも事務所があるだろうから、そこに聞いてみようと思ったのである。

スティーブが紹介してくれたTさんはとても親切だった。エジプト在住の団体職員とやり取りして下さった。しかし現地在住の人からは、”日本外務省が渡航中止勧告を出している危険区域ですよ”、というお返事、、、。

僕は思わずこんなことを言ったら外務省の人に叱られるでしょうけど、実は、渡航中止勧告になっている時にも2、3度パレスチナ西岸の、まさにその場所に用事があって行ったことがあります。ただ、行ってみると逆に、「全く問題ないのになぜなんだろう?」という感じでした。

その時にわかったのは、イスラエル側が外国人や自国の人間に見せたくないことをやっている場所だったんですね。それでイスラエルは”危険だ!”とアナウンスし、外務省はそれをそのまま鵜呑みにするという構図のようです。

今、僕らが活動しているパレスチナ西岸のC地区も、イスラエル人(平和活動家)が入ろうとすると、”危険区域だから入るな”とイスラエル軍に止められるそうです。』と、返信してしまった。Tさん、親切に対応して下さったのにグチっぽい返信ですいませんでした、、、。

イスラエルは、外国人に見せたくないところは、みんな危険区域にしてしまうんだよなぁー。何せ、兵士の任務遂行中(イスラエル兵がパレスチナ人を暴力的に迫害中)の写真や映像を撮ったら5年の懲役刑にする、という法律を作ろうとしているほどである。

迫害や暴力をやめるのではなく、外部に見せないようにする。悪事を秘密裏に行う、、、。すごい発想である。真実を隠すという点では、日本も原発で同じようなことをやっているんだけど。

さて、ナブルスのNGOプロジェクト・ホープのハキムからも、”一般外国人が果たして入れるのかはわからない”との返事、、、。

気持ちを切り替えて、浄水機器の購入設置の費用は、まずガザに送金することにした。急逝したアハメド医師の娘さんが父親の遺志を継いで、浄水機器を設置稼働させることになっているのだ。

だが、送金自体が複雑な過程で、準備に2週間ぐらいかかるという、、、。

そういえば昨年、ガザのアハメド医師の主催で、ワークショップやボランティア指圧治療をやることになっていたんだよなあ、、、。あらゆる各方面から申請出したけど、イスラエル軍に却下されたんあだよなあ、、、。

ああ、誰か僕をガザに入域させてくれないか、、、。浄水機器を購入や設置に立ち会わせてくれい、、、。稼働を確認させてくれい、、、。ガザに住む子供たちに会わせてくれい、、、。

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