70年前と同じ間違いをしたければ、政府に従えば良い

<テルアビブで行ったタオ指圧ワークショップ>

4月24日、アリスやアミナダブ・メンバーを空港で見送った。しかし、まだ僕には最後のミッションが待っていた。それは、テルアビブで念佛やタオ指圧のワークショップをすることだった。

ため息をつきたくなるのをこらえて、僕は次のミッションである「テルアビブ・念仏ワークショップ」の会場に向かった。(この時の僕の気持ちは、「なまえのない新聞」に掲載予定なので、今は書かないけど)

それにしても、パレスチナ側にいた、と言った後の空港での尋問はシビアだった、、、。(見送りに来た僕まで尋問されたのだ)そして翌日、イスラエル ・メンバーのマガリとカフェでミーティングしていたら、アリスから電話が入った。

ナンと、搭乗30分前に呼び出され、別室に連れて行かれた、という。「荷物の中にパレスチナ関連の書籍があった」ということで尋問され、身体検査までされたそうだ。

パソコンの中まで調べられそうになったので拒否したが、何人にも囲まれて大変だった、と。搭乗ギリギリになって解放されたものの、念入りな空港対策が必要だ、という注意であった。アリスは、オーストリアの弁護士を通じてイスラエル政府に抗議することまで考えており、詳細なレポートまで作成していた。

以前は、空港ではカメラの中身までチェックされる可能性があるので、イスラエル 側のだけを残して後は送ったり、またパレスチナ関連物は郵送するなどしていた。だが、イスラエル人について来てもらうようになってからは、簡単な質問で済むようになっていた。それで、空港対策はまったく考えていなかった。

アリスにしてもそうだった。それにしても、搭乗30分前に呼び出される、とは!? 帰国翌日に、ジャーナリストの志葉玲さん(友人の増山麗奈さんのご主人)からパレスチナ情報を求められ、やり取りしていた。その時、アリスの空港での一件もお伝えした。

そうしたら彼も以前、取材したパレスチナの写真を空港で見つけられ、尋問が長引いて飛行機を逃したことがあったそうだ。それで今回、帰国便の空港は、ヨルダンのアンマンからにした、という。

僕も、こうしてイスラエル・メンバーがいてくれるおかげで、安心して空港を出入りできる。だが、今度ばかりはうかうかできない。(イスラエル 人とはいえ、マガリだって活動家だしなあ、、、)

まだ、テルアビブ・ワークショップというミッションが残っている。なので、とりあえず、今は考えないことにした。そして、念佛ワークショップ、タオ指圧ワークショップ等に専念することに務めた。いろんな意味で、相当の努力やエネルギーが必要だったけど。

「アリスはナビサレ村でイスラエル軍に写真を撮られて調べられたのではないか?」と言う意見もあった。それなら、僕も同じである。(目が映らなければ大丈夫なのに、サングラスをし忘れた)”これは、空港で別室に連れて行かれて、徹底して尋問されることになるな”と覚悟した。(8年前にも体験している)

、、、しかし、マガリが奇跡を起こしてくれた! 彼女の以前のタオ指圧の患者さんで、軍関連の空港セキュリティの人がいた。マガリがその人に電話でかけあってくれ、その人が当日、一般客のセキュリティの人に話を通してくれた結果、空港をあっけなくスルーできたのだ!

もちろん、搭乗直前に呼び出される覚悟はしていた。しかし、何事もなく離陸でき、後で、思わずビールを注文してしまった! (祝杯である ^_ ^

ところでテルアビブでのワークショップ中は、パレスチナについて、占領問題について、はっきりと参加者に対して口にできない。(戦前の日本で朝鮮独立について話すようなものである)言いたいことを言えないという状況は、僕をかなり苦しめた。しかし僕は、以下の言葉を何度か言うことを忘れなかった。

『第二次世界大戦の頃に起きたことと同じ間違いをしたければ、政府が、マスコミが、そして「その他大勢」が言うことに従えば良いですよ。』、と。

僕は暗にこう言っていたのである。

(ホローコストが起きたのは、ナチスが一党独裁していたドイツ政府やマスコミを、信じる人が多かったからです。そして人々が、「その他大勢」の意見にしたがったからです。

イスラエル政府やマスコミの言うこと、そしてそれらを信じる「その他大勢」にしたがって、パレスチナ占領を続けるのは、それとまったく同じことなんですよ』、と。 

もちろんこれは、日本にだって当てはまる。 憲法改正に賛成する人は、そうだ。(これについて、これ以上は書かない。) 

※もしよろしければ、これに関連する法話「ニーチェのようにただ独り歩め」をお読み下さい。

 

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