Ryokyu Endo

とある国でタクシーを乗っていた時のことである。

”どこから来たのか？”と聞いてきたドライバーに”日本から”と答えると、“そうか、日本人か！　日本はナンバーワンだ。オレは日本が大好きだ”と言われた。

僕が喜ぶと思ったのかも知れないが、彼はさらに、”あんた中国人をどう思うか？　中国人は良くない。あんたもそう思うだろう？”と、さも当然とばかりに言われた。どうやら、中国人の悪口を僕と一緒に言いたかったようだ。

僕は答えに詰ってしまった。自分が何人だとかあまり考えていないしなぁ。そういうカテゴリーで人を観るのはポリシーに反するんだよなぁ、、、。

僕の煮え切らない態度が、どうも彼には歯がゆかったらしい。まるで最後通告のように、ミラーで僕の顔を見ながら言った。“じゃあこれだけ答えてくれ。日本人、中国人、韓国人だったらどれが一番なんだ？”

僕はつい、“中国人の中にも良い奴もいれば悪い奴もいるし、日本人だってそうだよ。皆同じさ”と答えてしまった。                  、、、後の行程で、ドライバー氏と話が弾まなかったことは言うまでもない、、、。

あとで思った。ああ、いっそこんな風に答えりゃよかったって。

”あんたは火星人と地球人だったらどっちが良い？。オレは火星人はきらいだ。あいつらはタコに似ているし、かっこ悪い。やっぱり地球人がナンバーワンだよな！”