<写真は、婚約式とは無関係なんだけど……>
翌日は、婚約式に出席するため、遠出をした。
前夜、9時に出発するという話だったが、実際に出たのは11時。
さすがはインドである。
”多分、フォーマルな場なんだろうなぁ……”と思ったので、
僧衣を用意して行った。
行ってみたら、案の定、皆、サリーを着て正装している。
数日間、同宿していたプリヤラ嬢なども、
すっかり見違えてしまった。
<普段着のプリヤラ嬢って、ちょっとこんな感じ>
ただ、なかなか始まらない。
僕などは、ほとんど控室で待っている時間であったが、
他の皆さんは大変だ。
何せ、この猛暑のインドでアウトドアなんだから。
親族の方に、”後で祝福の儀式をして欲しい”と言われたので、
僧衣に着替えて待機した。
相当の時間、待機した後、ようやく呼ばれて、
皆さんの所に出ていった。
そして、婚約者の2人の前に行き、
その場の空気に合わせた経文を唱え、
散華(花びらを散らす作法)を行った。
あとは、来賓席へ座るように言われたので、
大人しく座ってニコニコしていた。
他に坊さんはいなくて、
親族の長みたいなおじさんが、パーリ語の経文を唱え、
みんながそれを唱和した。
一通りの儀式が済んだら、
いろんな人が、二人にお祝儀やプレゼントを持って行った。
なので、僕も控室に戻り、お祝儀を渡したら、驚いていた。
(坊さんがそんなことすることはないのだろうけど、
僕にしてみたら、まあ気持ちというヤツね)
その後、控室に戻ろうとしたら、困ったことが起こった。
お布施を下さる人たちや、僕に五体投地する人が、何人も現れるのである。
”お布施を断るのは、相手の気持ちを傷つけるので、ありがたく頂こう。
そして、供養した後に、密かに別の所にお布施させて頂こう。”
(「頂いた法礼は、自分のことには一切使わず、法の弘通のためにのみ使う」、
というのが、坊さんになった時からの僕のポリシーなので。
まあ、最近はちょっとゆるめたりもしてるけど……)
相手が五体投地を三度もしている間は、
こちらも頭を深く下げ、ひたすら相手の幸せを願い続けた。
*「婚約式の写真も送ってね」と何度か頼んでいるが、
何せインドなのでまだ届いていない。
だから、他の写真を掲載させて頂くことにした。
<朝ごはんは、こんな屋台で食べることもあった。
(僕としては、こちらが好みである)>
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