Ryokyu Endo

自転車に乗っていたら、

道に段ボールがたくさん落ちいた。

近くには、ちり紙交換のトラックから降りたおじさんが、

途方にくれた顔をしていた。

僕は一瞬、途方にくれたおじさんの気持ちを想像した。

次の一瞬は、

「誰かに手伝ってもらうことで明るい気持ちに変わる」

おじさんの気持ちを想像した。

そこまで想像したら、自転車を停めて手伝うしかない。

僕は、段ボールを集め、その束をおじさんの近くに置いた。

すると、おじさんは、信じられない、という顔をした。

しかし、おじさんが笑顔になり、ありがとう！の言葉が出るのに

時間はかからなかった。

次に僕は、離れた場所に落ちている段ボールを

取りに行こうとした。

そして驚いた。

僕が自転車をとめて手伝い出したのを見た海外観光客が

数名で、一緒に手伝ってくれたのだ。

おじさんは本当に嬉しそうだったし、

あっという間に片付いた。

そして僕もうれしくなった。

利他で人が繋がった瞬間だった。

利害では人と繋がりたくない。

僕は人と利他で繋がりたい。