断捨離と地球の新時代(2)

※写真の出典:サンキュ!NEWS

先日のブログに付けたPRESIDENT Onlineの記事。

これが掲載されたのは、

共感を抱く読者が少なくない、と編集部が考えたからだろう。

もちろん、記事として取り上げられている人たちは

極端な例だろう。

しかし、大なり小なり、似たような相克は、

全国至るところで起こっているようだ。

実際、先のブログで述べたように、

”ウチの親が物を捨てることに抵抗して…..”

というため息混じりの声はよく聞く。

 

 

今の時代感覚からすれば、

物を溜めることは恥ずかしいこと。

しかし、旧時代精神が残っている人にしてみたら、

物を捨てること=物を大切にしない

悪の行為になるのだろう。

だから、あの記事に出てくる片付ける業者も、

敵意を持たれながら作業していたのではないか。

記事で出て来る人にしてみたら、

物を捨てることに対して罪悪感があり、

たとえ不要な物であっても、それは自分の所有物であり、

捨てようとする行為に対して怒りが湧くのだろう。

 

かつては少量生産、少量消費だったから、昔はそれで良かった。

しかしその後は、大量生産、薄利多売の時代に入った。

 

人間が消費できる量は限りがある。

捨てずにいたら物が溜まり続けるのは、自然の理だ。

そこで現れたのが、断捨離やコンマリを代表とする

片付け指南のプロたちだ。

 

すでに旧時代は終わり、人類の精神も社会も、

新しい段階に向かいつつある。

彼らの登場は、新しい時代の要請なのである。

 

相当以前から言われて来たことだが、

人類の無意識は、環境破壊の原因が、

大量生産、大量消費、大量破棄にあることを知っている。

 

そもそも断捨離は、それ自体が目的ではない。

大量生産、大量消費、大量破棄を終わらせ、

物を捨てなくても良くなるという、

新しい時代を創るための儀式なのである。

 

この儀式は、数千年単位で起きる人類変化のためのイニシエーション(通過儀礼)だ。

しかし、このことに気づいている人はどれほどいるだろうか?

(もちろん僕自身も、つい最近までわからなかった)

 

最近、芸能人が断捨離している、という記事もよく目にする。

時代の変遷を、いや人類が次に向かうべき方向性を直感している人は、

断捨離していることだろう。

 

 

僕が、断捨離と人類社会の変遷の関連性について気づいたのは、

いくつかの社会現象の底流にある共通性から、

人類が向かっている方向性が見えてきたからである。

その社会現象とは、例えば、月4万円で、全国の拠点に住み放題になる」

というシステムが最近できたこと。

月4万円で多拠点住み放題に1100人超が応募                                      https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00113/00009/

 

ただの田舎暮らしではない! 月4万円「全国住み放題」 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1912/25/news035.html

 

これって、言ってみれば、

昔の雲水や放浪の僧侶たち(聖/ひじり、と呼ばれた)のような生活形態だ。

このコーディネイトがビジネスとして成立するということ。

それは、このようなライフスタイルを好む人たちが現れているということだ。

 

その他、必要な物だけで豊かに生活する、

「ミニマリスト」と呼ばれる人たちも登場している。

ミニマリストとは?最小限で丁寧な暮らしを実現する主婦

https://39mag.benesse.ne.jp/living/content/?id=20058

お金持ちがミニマリストになる本当の理由

https://the-owner.jp/archives/71

https://www.manpowerjobnet.com/haken_guide/improving-skills/minimalist/

 

またこれは、数年前から言われていたが、

車などを所有することに興味を持たない

「悟り世代」と呼ばれる人たちがいる。

さとり世代の特徴五選

https://job-koken.jp/column/satori-characteristic/

(一方、最近では、アメリカで発生した、Z世代と呼ばれている人たちがいる)

 

これらの社会現象から、大きな精神の変化が、人類に起きていることが読み取れる。

それは、人類の「物に対する捉え方」の変化だ。

これまで(旧世代)は、所有はステータスだった。

「物を持つことが豊かで幸せである」という考えだったのだ。

しかし、先の3つの社会現象の変化から分かるように、

むしろ、物を持たないことが豊かで幸せなことなんだ、

と、逆転し始めたのである。下記のようなイメージになって来たのだ。

家のローンに縛られる貧しい生活 ーー→ 家を持たない自由な生活

大量の不要品に囲まれた貧しい暮らし ーー→ ミニマリストの豊かな生活

所有こそステータス」という旧世代 ーー→ 所有よりも楽しさ第一の悟り世代

 

ここから、さらに何が読み取れるだろうか?

僕には、人類の精神の変化ととともに、

経済のシステムまで変化していく、

その足音が聞こえて来る気がする。

その内容については、次回のブログで論じたい。

 

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