カミーロとの出会い (3)

(写真は台北/でも、本文とは無関係です)

 

カナダセンターのオープニングに出かけた時のこと

 

セレモニーの合間に控え室で休んでいたら、

突然、部屋を尋ねて来た人がいた。

 

モンテリオール在住で台湾出身のカミーロだった。

 

 

 

 

 

 

タオ指圧を学び、センターで声明修行もしているようだったが、

僕は会うのは初めてだった。

 

カミーロは青黒く深刻な顔だった。

 

悲痛な声で話し始めた。

 

「悩んでいることがあります、、、

 

数年前にモンテリオールの漢方医に

”あなたの耳の形では長生きできない。

 

あと数年の生命だろう”と言われたのです、、、。

 

その時は、聞き飛ばしたのですが、

最近、夜眠れないようになり、

何だか体調も悪くなって来ました。

 

彼の言う通りの状態になって来たのです。

 

僕は、彼の言う通り、

自分が死ぬのではないか、と思い始めました。

 

今は毎日、心身ともに苦しくて仕方がありません。

 

僕は死ぬんでしょうか?」

 

僕は、自分の直感に耳を澄ました。

 

、、、僕の直感は、彼が死なないことを告げた。

 

しかし万が一、ということもある。

 

だから、自分が口を開く前に一瞬考えた。

 

その人の言ったことが万が一本当なら、どうしよう?、と。

 

そして僕は、腹を決めた。

 

もし彼が本格的に病気になった時は、

僕はモンテリオールに行こう。

 

そして彼が治るまで彼の家に泊まり込んで、

ずっと治療しよう。

 

最悪の場合だって、僕は責任を持とう、と。

 

その上で彼に伝えた。

 

「あなたは死なない。病気にもならない。

僕が絶対の保証をする。」、と。

 

すると彼は、泣き出した。

 

「ありがとう、ありがとう、ありがとう、、、」、と。

 

嗚咽する彼の背中を僕はずっとさすっていた。

 

カミーロはしばらくすると、

「すっかり気持ちが楽になりました」と微笑んだ。

 

そして、部屋を後にした。

 

その後、「夜も眠れるようになりました。

 

すっかり体調も良くなりました」とメールをくれた。

 

、、、その1年後のことだった。

 

 

カミーロが、台湾の合唱コンクールに優勝した子供達を

コーディネートしてくれ、テーマ曲「Share! 」の

台湾版の録音ができた。

 

人生とは、宇宙大霊が織りなす

不思議な物語だな、と思う。

 

(古いブログの焼き直し)

 

 

 

関連記事一覧

PAGE TOP