これまでなかなか出会えなかった、本物のイスラエル人の人権活動家と、2017年になってやっと繋がることができた。
彼の名前はガイ。”この世の悪い奴をやっつけるためならオレは死んでも構わない”と言うぐらい熱い男である。
彼は毎日毎日、パレスチナC地区に行き、イスラエル入植者とイスラエル軍から無形有形の暴力を受けているパレスチナ人の盾になって頑張っている。
これでよくまあ超右翼・軍事国家(戦前の日本の歴史を思い出して頂きたい)のイスラエル警察に逮捕されないものだ、と感心していたら、今や要注意人物として相当マークされているらしい。(まあ、僕が言うのもなんだが)
イスラエル兵に抗議するガイ。
文字通り身体を張っている。
もう1人のイスラエル人活動家のヨシ。
イスラエル兵の手には自動小銃が、、、。
さて、僕が言う”本物”の活動家とは何かを説明しておきたい。
それは、自国の政府を一切擁護しない人間のことである。政府やマスコミの刷り込みから覚醒している人のことである。
国籍など一顧だにぜず、あくまでも苦しむ人間の側に立って寄り添う者のことでなのある。
僕は中東アースキャラバンの準備に行った今年の3月、ガイと出会い、ようやく本物のイスラエル人活動家と繋がれた、と感じた。
さて、今年のアースキャラバン中東だが、まず東エルサレム・占領実態の体験ツァーを行った。
イスラエルの占領によって、何の罪もないパレスチナ人たちの生活がどれほど破壊されているのか?
もっとも、ここでいくら語ったところで、それは伝わらないと思う。たとえ何万語費やしたところで、ただ単に、頭の中の知識として入るだけだ。
悲しいかな、人間は現地に行って体験しない限り、感情的レベルでの理解とならないのだ。
お仕着せのツアーでも無理、、、。だからこそ、アースキャラバン中東では、占領の実態を体験するプログラムを入れている。そしてその案内には、国籍から言えば加害者側であるイスラエル人を頼んだのである。しかも、イスラエル政府のやっていることを徹底して暴き出してくれるイスラエル人を。
当初、僕はそのガイドを、前述のガイに頼んでいた。だが、残念ながら彼はパレスチナ人を助ける活動に忙しく、急遽他の人(アビヴ)にやってもらうことになった。アビブも一応(と言ってはワルいが)、パレスチナ占領に反対する活動家だった。
そして、パレスチナ人の家屋破壊や土地の収奪が進んでいる東エルサレムを案内してもらった。ツアー中、彼の英語による説明を僕が通訳していた。だが、彼の言葉の中に、多少言い訳がましい(イスラエル擁護みたいな)ところがあると、僕は言い返したり、勝手に変換して訳したりしていた。
僕は通訳のくせに、途中、アビブと議論か言い合いになりそうになってしまった、実に通訳として失格である。
だが、なに構うもんか。許せんものは許せんのよ。日本による朝鮮半島の植民地支配だって、欧米のアジア・アフリカ植民地支配だって、奴隷貿易だって、ネイティブ・アメリカンの虐殺だって許せんしなあ、、、。
※その後、アビブは東エルサレムのパレスチナ人家屋破壊の反対デモに参加し、イスラエル機動隊の放った催涙ガスが目に入って大変だった、という情報が入った。言い合いになりそうになってすまん、アビブ!
<パレスチナ人の自由な通行を妨げるために、壁が至る所に造られている>
その後、アカバ村へ移動。イスラエル兵の銃撃を受け、車椅子になったハジサミーが、非暴力と友愛をモットーに運営しているパレスチナ人の村である。
イスラエル軍はこの村を何度も破壊しようとした。だが、海外の団体や大使館から寄付を受けて造られている建物や機械も多い。このため、軍が破壊しようとする度に、海外からイスラエルにクレームを入れてもらい、破壊を免れている。
アカバ村近くのパレスチナ人が使用する井戸は、イスラエル軍が徹底して破壊して回ったり、使用禁止にしたりしている。このためガイたち活動家が、パレスチナ人と協力して泉を浄化し、せめて少しでも使えるようにしようとしている。
この井戸の浄化に朝早く出かけた。アホなことに僕は雪駄を履いて行った。このため棘が生えている草がチクチクと痛くて、下まで降りて行けなかった。
それで上での方で汚れた泥水の入ったバケツを捨てる作業に従事した。でも、下まで降りて行った作業の方が楽しそうだったなぁ、、、。
、、、今回、難民キャンプをいくつ回っただろうか?
アースキャラバンの一行は、子供たちに浴衣を着せたり、指圧したり、折り紙したり、音楽したり、といろんな遊びをする。このため、どこも難民キャンプに行ってもアースキャラバンは子供たちに大人気だった。
1日は、ガイのコーディネートで、南ヘブロンの村の道路修復作業を行った。
これらを全て手作業行ったのは、パレスチナ人がブルドーザーや自動車などを使って作業したら、イスラエル警察に逮捕されるからだ。パレスチナ人たちは自分の土地なのに、家を建てることも事実上、禁止されているし、土地も自由に使えないのである。
現場には、アメリカから来たというキリスト教徒の団体も来ていて、一緒に作業した。早くから来ていた彼らは、日が高くなって暑くなったら帰って行った。しかし、僕らタオサンガは作業を続行し、道路の修復を終えるというミッションを完了した! (あとでその団体の人と会い、”オレたち全部やったぜ!”と言ったらビックリしていた。イエイ!)
作業を終えて、差し入れてもらった冷たい水を飲み、みんなでBe Free Palestien (パレスチナよ、自由になれ)を歌ったら、子供たちも大喜びだった。
アースキャラバン中東3回目にして、共に人々のために汗を流すことができたことは、僕には大きな喜びだった。
十代の頃、年齢を偽って深夜の土方のアルバイトをやっていたのを思い出したなあ・・・。(そのお金で買ったギターを今でもライブで弾いている)
アースキャラバン中東では実の盛りだくさんのことを行った。だが残念ながら、とても全部を書いている時間はない。
すべてのプログラムが終了した後、エルサレムでLIVE演奏を行ったり、8年ぶりにナブルスに行ったりもした。
また、世界最年少のジャーナリスト(11才の女の子)ジャナが住む、ラマラ近郊の村に行き、活動家でもある彼女の叔父さん、叔母さんと来年以降のアースキャラバンの相談をした。
以下はジャナの3分映像。(必見!)
、、、実は、最後に、とても悲しい知らせがある。
イスラエル政府の要職の誰かが、僕らが道路修復したこの村の破壊を決定した、という情報である。
今現在、家屋が破壊されている。
一方、入植者からは、毎晩深夜に家が投石されており、子供たちが怯えている、、、。
肩を組んで一緒に”神は偉大なり!”と叫んだ老人が、虫けらにように扱われている。
パレスチナ人は皆テロリストだ、と暗示をかけられている兵士たちによって、、、。
ガイたちは毎日のように活動に向かい、その内の一人は入植者に骨を折られた。
まさに命がけの活動である。
アースキャラバンは、ガソリン代の捻出に苦慮しているガイの活動をサポートすることにした。 毎月1人10$(または1000円)をサポートする。
※一緒にサポートしてもイイよ、という方がいらしたら、 までご一報ください。
ガイ、頑張れ。人間の尊厳というものを見せてやれ。
、、、村が心配だ。
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