僕には、破滅的な気分に陥る季節がある。
天才詩人ランボーが「地獄の季節」と呼び、ヘッセが『春の嵐』と名付け、太宰治に「何だかまた陰惨な気分で、酒が飲みたくなって来た」と書かせたような、あの気分である。
こういう時、本当は曲を創るぐらいしかできない。
ところが今、僕はまったく真逆のことをしている。
我ながら驚くのだが、本来なら両立するはずのないことだ。
何をしているのかと言えば、
「誰でも悟りの体感を得られ、しかも霊界にまで踏み込んで救済を行うメソッド」
――そんなガイドブックなるものを書いているのである。
破滅的アーティストと、悟りのガイド。
そんなものが両立するはずがない。
にもかかわらず、僕はなぜか、この両方の役者をやらされている。
傍から見ていれば、もしかすると面白いのかもしれない。
しかし本人にしてみれば、たまったものではない。
しかも、こんなガイドブックなど、せいぜい「アヤしい」と思われるのがオチである。
……にもかかわらず、僕は膨大な時間を費やし、十数年もこれを続けている。
関心を持つ人も、真に受ける人も、そう多くはない。
本気で取り組もうとする人となると、さらに少ない。
それでも、わずかな理解者を相手に、
時折、破滅的な気分に陥る季節を迎えながら、
ただひたすら続けている。
まったく、何てこった。
早くガイドブックを完成させて、
のんびりしてぇ。







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