”人生に成功したければ、まずは神様方に好かれよ”

何かことを起こそうと思った時、僕は必ず大掃除をする。

これは、僕が20才前後の頃に住んでいた、脱世の文化人たちが暮らす「清和荘」の頃からの習慣だった。

”ことを起こす”と言っても、そんな大それたことではない。だって、本当に”大それた”ことだったら、掃除する余裕は多分、ない。

清和荘の頃は、指圧学校に入ろうと思った時に掃除して部屋を整えていた(と言っても、3畳間しかなかったんだけど)

現在は、CDアルバムのレコーディングをするとか本を一冊執筆するとか、一応、自分にとってはかなり気合いのいることをする場合に行う。まあ儀式みたいなもんだな。

もっとも、大掃除の大切さを自覚的に理解したきっかけは、2枚目のソロアルバムのレコーディングを準備していたときだった。

スタジオとして借りていた割と広いアパート(と言えば聞こえは良いが、岩倉という京都では比較的奥まった所にある月1万円の物件)で、音入れをしようと悪戦苦闘したあげく、なぜか何もできなかったことがあった。まる一日を費やして、全くはかどらなかったのである。

レコーディングの期日は迫っていて、僕は心底焦っていた。もし2枚目が駄作だったら、3枚目のレコーディングはないだろう、と言う恐怖で、まるでパラノイヤ状態だった。

2枚目が駄作でレコード会社に見放され、消えて行ったミュージシャンなんて星の数ほどいることを僕は知っていた。

実はこの時、イスラエル講習を終えて帰国したばかりだったが、休養のため途中寄ったエジプトでは、レコーディングの重圧で、顔中にジンマシンができていたほどだった。

レコーディングの準備は、2日目になっても全く能率が上がらなかった。精神的重圧感と焦りで進退極まった僕は、ふと思いついて大掃除をすることにした。

大掃除は2日ほどかけて完了したが、その後はスムーズに作業を進めることができた。今まで無意識にやっていた掃除だが、この時僕は、ようやくその真の意味を理解したように思った。

その後は、例えば「引っ越す」と決めたら、引っ越し先が決まっていなくても、まず大掃除をするようにした。

前の家は、相当に古い木造の家屋だったので、引っ越そうと思った時には、長年に溜まっていた天井のホコリまで掃除した。1か月ぐらい毎日専念していたような気がする。トイレはプロにお金を払ってまで掃除してもらったのだ。

”どうせ引っ越すのに、なぜそこまでするんだ?”と思われるかも知れない。しかし、これに意味があるのだ。なぜなら掃除は、気を整えるためのアートだからである。住居の気を整え、良い芸術作品を創作したら、人生は必ず次の良き展開を見せる、と僕は信じている

実際その後、忘れた頃に良い物件が出て、今の家に引っ越したのだった。「掃除アート」は幸運をもたらすのである。

今回は、とりあえず軽く3日ほどかけて行った。驚いたのは不要なモノを捨てると、信じられないぐらい大きな新しいスペースが生まれることである。

何かの本で「不要なモノを家からデトックスすると、その空いたスペースに幸運が入る」と読んだことがある。またその著者は、「家の中に不要な袋を溜め込んでいることで、離れて住む息子の運気が下がるなんてバカらしい」とも書いていた。

こんな話、一見眉唾ものに思えるかも知れない。だが年末に大掃除をする日本の習慣は、”新年と共に神様を迎え入れる”という神道的な意味があるのだ。神道が不浄を嫌うのは、神様(諸天善神)は、不浄なところには降臨されないからである。

掃除をした家の箇所は気が通っていて、すっきりとして気持ちが良い。家の中にいても、その部分には自然界との交流があるような気がする。諸天善神もそこに降臨されるに違いない。

そのような感性で家の中を観ると、デトックスされていない箇所は呼吸が重い気がする。きっとそこには、自然界との交流がなく、神様もいらっしゃらないのだろう。もし、家の中の隅々まで自然界と交流しているスッキリ感があるなら、その家には、至るところに神々が降臨される気がする。

なにせ幸運体質になるには、諸天善神に好かれなくてはならないのだ。ただし好かれるには、いくつか条件があるようだ。

まず、誰かと一緒にいる時は、その人が楽しく過ごせるように気遣うこと。(サンガではこれを「場に責任を持つ」と表現するが、一緒にいても楽しませてくれない人の所には人も神様も来ない。

それから、人に会っている時は機嫌が良くなくてはならない。(人を楽しませようと言う気がないと、心から楽しい気持ちにはならないのだけど、機嫌の悪い人や暗い人の所には幸運を運ぶ神様は来ない。

そして3つ目は、”使っている物はホコリを取り、不要な物は執着と共に捨てること”だ。(不要な物を持っていること自体が執着心の顕れなので、不要な物を捨てることで、執着心もまた捨てることができるのである。

このように、「掃除アート」によって家を浄化することは、神様に好かれるための大事な条件の1つなのだ。

”人生に成功したければ、まずは神様方に好かれよう”

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