長年僕は、イスラエル側の活動家と繋がって一緒に活動することを心から願って来た。なぜなら、パレスチナ占領は国際社会の声とイスラエル側からの動きによってしか止まないからである。
もっとも、これまで多くのイスラエル人活動家と会ったが、なかなか”本物”の人には出会えなかった。
実は、その一番の原因は「言葉」ではないか、と思っている。英語とかヘブライ語とかのそれではない。政府(または何か)は、言葉によって人々のイメージ操作をするからである。
分かりやすい例で言おう。原発事故の直後、皆さんも以下の”言葉”をよく聞かれたと思う。”直ちに健康に影響はありません”、と。
これを聞いたとき僕は、“ああ、これがウワサの戦時中にあった「大本営発表」かぁ”と思った。(「ウワサの」と言うのは、僕はリアルタイムで聞いたわけではないからだが)
大本営発表とは、時の政府が発表していた、第二次大戦中の戦況報告のことである。緒戦では連戦連勝だった日本は、中盤戦からの敗北をひたすら国民に隠し続けた。
敵の損害を過大に発表した上で、常に”我が軍の損害は極めて軽微なり”という言葉で締めくくっていたのである。われわれは原発事故の直後、何度聞いただろうか、”ただちに健康に影響はありません”という言葉を、、、。
国民をイメージ操作するために必死に考えたであろう、その言葉の意味することは、”メルトダウンしたって、今すぐには死なないから安心しなよ”である。
しかしそこには、”もしかしたら、何年かたってから病気になるかも知れないけど、「ただちにではない」という言葉で警告はしたからね。という責任回避の裏メッセージが入っている。(あとで”健康は大丈夫だって言ったじゃないか。どうしてくれるんだ!”と文句を言われないように)
このように、言葉1つで人々のイメージ操作をしたり、責任回避したりなど、いろいろなことができるのである。
中東のことに話を戻せば、イスラエル人も含めて世界中の人々は、“イスラエルとパレスチナの平和”とか、”紛争”や”対立”などの言葉によってイメージ操作されている。
言っている意味が、お分り頂けるだろうか?(最初はちょっと分かりにくい話だと思うので、こんな書き方になってしまって申し訳ないけど)
ちょっと考えて頂きたい。かつて欧米はアジア・アフリカの多くの地域を植民地にしていた。日本もまた、朝鮮半島や満州を植民地支配した。
占領支配する、ということは、一方には土地、人権、人間としての尊厳や生命を奪われている人々がいるということだ。彼らは当然、占領支配する圧制者に対して抵抗運動を行う。
私たちはそれを、”紛争”や”対立”という言葉で表現するだろうか?(当然しない) しかしパレスチナ占領においては、まさにこの”紛争”と”対立”という言葉で説明されているのである。
何のためか? 占領という事実を隠蔽し、あたかも対等な立場にある二国間の争いであるかのようにカモフラージュするためだ。
しかも、占領に対する抵抗運動を、大手マスコミは「テロ」と呼ぶ。(かつてナチス支配に対する抵抗運動を「レジスタンス」と呼んだが、同じことをやっているパレスチナ人の抵抗運動をそう呼ぶことはない)
そして軍備もシェルターもなく、一方的虐殺に過ぎないガザの爆撃を、イスラエルは「戦争」と呼んでいる。
さらには、「イスラエルとパレスチナの平和」という言葉が使われる。その言葉によって、人々の活動はさらに間違った方向に導かれる。”両者が話し合って平和にならなくてはならない。対話することが大切だ”など、と。
しかし考えてみて頂きたい。そもそも植民地にされ、支配され、土地を奪われ、水を奪われ、武力を一方的に振るわれている人間にとって、平和とは何だろうか? 占領による弾圧や武力による暴力から解放されることに他ならない。
しかし、植民地支配する側にとって”平和”とは、必ずしもそうではない。抵抗運動が起きず、つつがなく植民地支配が続くことなのだ。
支配する側と支配される側によって、平和の定義が異なるのである。イスラエルにとっては、彼らが「テロ」と呼ぶところの抵抗運動を起こされないことが平和であり、それは被害を受けているパレスチナにとっては平和でも何でもないのである。
したがって真の中東平和とは、イスラエルとパレスチナが紛争をやめて和解することなどではない。その言葉自体がまやかしだし、そもそも、人の苦しみの上に成り立つ平和はない。
占領が継続すれば、パレスチナ人の苦しみはいつまでも継続する。人間性に基づいて考えれば、当然、占領などもっての他である。
しかし誠に残念なことに、そして驚くことに、政府を擁護して占領継続を認めるイスラエルの自称”平和活動家”に、僕は何人も会ったのである。
そしてその言い訳は、”そうしないと自分たちはテロをされる”、あるいは、”再びホロコーストが起こって迫害される”というものだった。
しかし、それこそがイスラエル政府が教育とマスコミによって、自国(そして世界)の人々に刷り込んでいる恐怖であり、それは言葉によるイメージ操作の結果なのである。
彼らは、テロ(抵抗運動)をされるから占領が必要だ、と言う。しかし実際には、占領しているから抵抗運動(彼らの認識ではテロ)を起こされるのだ。順番を取り間違えているのである。
人々は、順番を取り違えることで、認識を誤ることがよくある。
これを逆手に取って、順番を替えることで観えて来るものもある。例えは悪いが、911がそうかも知れない。
マスコミによれば、911が起こったから、ブッシュはビンラディンを討伐するためにアフガニスタンを爆撃した、と言うことになっている。
しかし911に、ブッシュはオサマビンラディンの家族と一緒だった。そしてアメリカ全都市の空港が閉鎖されたのにも関わらず、彼らだけを特別に出国させた。これは陰謀論でもなんでもない。公式記録だからである。
911の流れで、大量破壊兵器などなかったイラクにブッシュは空爆し、その結果、多国籍企業がイラクの富を二束三文で買い取り、”合法的に”収奪した。911は人々の口を封じる役目を果たし、リビアを攻めてその富を収奪するという流れもスムーズだった。
すべて、911がなかったらできなかった技だ。そこで順番を逆に替えてみよう。そうすると観えて来るものもあるかも知れない。なにせ、世界のマスコミは刷り込みのプロだから、気をつけなければならない。もしかしたら、アフガニスタンのイラクのリビアの富を収奪するために911は起こった(?)のかも知れない。
マスコミが嘘をつくことは、パレスチナ現地に行けばよくわかる。それに、本来ならば戦時中の大本営発表を知っている上に、原発事故で苦しむ日本人なら、骨身にしみてよくわかっていなければならないことだ。でも日本の人は、相も変わらずマスコミが流す北朝鮮の報道を真に受けている。正直、もどかしいを通り越して、アホらしくさえなって来る。
僕は、北朝鮮のミサイルは本物ではないと公言してはばからない。”でも、、、”と言われるかも知れない。しかしイスラエル人も日本人も(911でショックを受けたアメリカ人も)、マスコミの報道を聞いて不安にかられた方は、たまには物事を順番を逆に考えられてみることを考えて頂けたらな、とも思うのである。
<付録>以下は、僕がFaceBookに投稿した記事です。
日本政府が、もし本気で北朝鮮のミサイルを恐れていたら、原発に自衛隊を配備するけどね(笑) でも配備したら国民に「そんな危険なもの早く廃炉にしろ!」って言われちゃうからねー。
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「イスラエルがガザ空爆している時のテルアビブにいたからわかるんだけどさ。
屋上のカフェで警報サイレンがなっても座っていたら、”ハマスのミサイルが飛んで来るから建物の中に隠れなさい!”とか言われるわけですよ。
でもハマスのミサイルって、1、2メートル(もうちょっとあったかなあ?)はあるものの、実際には花火に毛が生えたようなものなんですよね。
で、イスラエルはそのお返しという名目でガザを空爆するんだけど、そっちは近代兵器の爆弾です。
別に、ガザに軍事施設とかがあるわけじゃないから、その爆弾は民家に落とすしかない。向こうはシェルターすらないから、人がどんどん死んでいくわけです。
このパターンがだいたい2年に一度ぐらい。
どうやら爆弾にも賞味期限があって、それが切れる前にガザを空爆する理由になる事件が必ず起こる。そのパターンがだんだん見えて来るんです。
あるイスラエル人が、”ハマスはイスラエルが作ったんだよ”って、ひそひそ声で言っていたことがあるけど、なるほどです。
ハマスはそういう任務(軍需産業の)を負わされているんだなって、わかってくるわけです。
客観的に考えたら、「日本政府がもし本気で北朝鮮のミサイルを恐れていたら、原発に自衛隊を配備するけどね」、そんなことはしないです。
でも、これで国民は、加計学園のこととか共謀罪のこととか、いろんなことを忘れてくれるから、金正恩さんはきっちり任務を全うされているのですよ。阿部さん、金さんに足向けて寝れないぞ!」
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