ウィーンでの驚きの体験

4日間の国際会議がやっと終了した。しかし僕にはまだ、それからのスケジュールがあった。3日間の「念仏とタオ指圧ワークショップ」である。

こちらは朝の9時から5時までの1日中。(なので昼間にホテルで一人音楽の練習をすることはできないのだ)

このワークショップには、ウィーンのタオ指圧門下の人たちだけでなく、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、イスラエルからも、タオ指圧の治療者や指導員が参加した。

実はウィーンに着くまでは、タオ指圧門下の人たちだけを相手にすれば良いと思って気楽にしていた。ところが僕は、どうやら新しい人の参加もOK、と言っていたらしい。きっと忙しくて、何か聞かれても考えるのがメンドーで”はいはい、なんでもOK!”とか何とか適当に返事したのだろう。

かくしてタオ指圧の指導員たちも、まったく初めての人たちもいる参加者30人のワークショップとなったのである。ひぇ〜! 一日8時間、必死の集中が必要となる3日間の始まりはじまりである。(これに気づいたとき、おそ松くんのイヤミの”シェー!”を、思わずやりそうになったのだ)

、、、最初の2日間は、ほとんどが念仏に関する気の体感ワークだった。夕方近くなって少し手技を行ったぐらいである。3日目になってようやく指圧手技も併せて行うようになった。

そうして3日間、いっときも気が抜けず、とうとうやり通した。(メンバーたちとの夕食後は、相変わらず宿で、アホのように踊りながらギターを弾いているが)

この3日間は、国際会議にもまして大仕事だった。だが、とっても良いことがあった。

1つは、このワークショップで、念仏修行とタオ指圧施術が完全に一体化したメソッドが確立したことである。これによって、初めての人であっても、三日目にはとんでもなく深い心の世界を垣間見ることができることがわかった。

人は、このメソッドによって、必ず仏教で説く「三昧」を体験することができる。こんなことを聞いただけでは、タオ指圧で説く古典にない経絡群と同じで、誰も信じないだろう。また、”コイツ、なに大げさなこと言ってんだろう”と思われるのがオチだろう。

だから、僕としてもあまり言いたくはない。だけど僕は、”これで人類は、自我を超えた精神的な宇宙飛行ができるようになったようなものだ”と思っている。(←何だ、まだ言ってんじゃん)

ああもう、何をどう言っても所詮陳腐にしか表現できない。だから、これ以上、このことについて語るのはやめよう。それに、僕にとってはメソッドの確立以上に嬉しいことがあったのだ。

それは、この1回のワークショップで、エゴを乗り超えて、タオサンガ仏法僧に責任を以って生きることを決意をする人たちが複数、現れたことである。(驚きを通り越して、正直まるで信じられんぞ!)

地元のキリスト教会で仕事をしているクリスチーヌは、ワークショップ最後の発表で、「私は自分が体験したこの念仏の心の世界を必ずヨーロッパに根付かせる。これはヨーロッパの人々に絶対に必要なものだ、と確信した。だから私は、オープンな神父と話し合い、教会でタオサンガ念仏会を始めることにする」と泣きながら、皆の前で真摯に語ってくれた。

何度も人間のエゴに絶望しかけながらタオサンガをやって来た。しかしどうやら、時代は本当に変わりつつあるようだ。

<ウィーンの和田寺タオサンガ道場>

 

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